コロナ禍で借入残高を大幅に増やしている
会社は多いのではないでしょうか。
返済はしばらくは猶予されるので経営に大きな
影響を及ぼすことはないと思いますが
アフターコロナ渦後の経営に借入金返済は大きく
のしかかってくるでしょう。
銀行の借入残高を聞かれ即答できる社長はかなり優秀です。
でも銀行からあといくら資金を借りられるか
わかる社長は少ないように思います。
銀行の借入残高は調べればなんとかわかりますが
あといくら借入できるか知ることはなかなか大変です。
実はあなたの会社の借入返済能力がわかれば
あとどのくらい銀行から借入ができるか
知ることが可能です。
銀行も会社の返済能力を調べあとどれだけ
融資できるか判断しています。
つまり自社の返済能力がわからなければ
銀行融資の交渉は難しくなります。
この記事では銀行への自社の借入返済能力が
どのくらいあるのか理解できるように説明します。
あなたの会社の正しい返済能力を把握し
アフターコロナ渦後の銀行融資交渉・返済交渉を円滑に進めましょう。
それでは以下の順番で説明していきます。
- 銀行融資の返済原資の考え方
- 銀行からいくら借りられるか理解する
- 銀行は融資償還年数を重視する
銀行融資の返済原資の考え方
銀行借入の返済原資は会社の利益です。
返済原資の求め方は次のような計算式で
算出できるので覚えておいてください。
減価償却費+利益−税金=返済原資
になります。
税金は利益の40%相当を見積もります。
簡単に言うと
減価償却+利益の60%
が借入返済原資にになります。
例えば
年間減価償却費が2000万円で利益が1000万円円の会社ならば
減価償却費2000万円+利益1000万円-税金400万円(利益の40%)
=2600万円
会社の返済能力は2600万円になります。
決算書や試算表から簡単に算出できるので
あなたの会社の返済能力を計算してみましょう。
あくまでも返済原資の計算する考え方なので
現実には現金がそのまま残っていないことが
あるので注意してください。
銀行からいくら借りられるか理解する
銀行の借入返済原資の計算方法を説明してきました。
それでは銀行からいくら借りられるのでしょうか。
借入返済原資から考える場合
年間返済原資から年間借入返済総額との
差額が返済余力になります。
例えば
年間の借入返済原資が3000万円
年間の既存借入返済総額が2000万円の場合
(すでに借入して返済している分)
年間借入返済原資2000万円-年間既存借入返済総額1000万円
との差額1000万円が返済余力になります。
運転資金であれば返済余力に5~7年をかけると
借入可能額を算出することができます。
上の例だと
1000万円×5~7年=5000~7000万円
借入できる可能性があります。
逆に返済よる余力がマイナスの場合は
既に運転資金が不足していることになります。
返済余力がマイナスの場合は借り換えなどにより
返済期間を伸ばすなどして年間返済額を
減らす必要があります。
年間借入返済原資1000万円-年間既存借入返済総額2000万円
=▲1000万円となり返済原資が1000万円不足していることになります。
資金繰りが厳しい会社は、借入金の返済原資が確保できているか
確認して必要に応じて資金繰り対策をしてください。
以下の記事が参考になります。
銀行は債務償還年数を重視します
銀行は企業に融資するときに債務償還年数を重視します。
債務償還年数とは現在の返済原資で借入総額を除して
何年で完済できるかと言うことを計算します。
年間返済原資が1000万円
返済総額残高が5000万円の場合
債務償還年数は5000万÷1000万=5
で5年になります。
銀行から見ると5年から7年が理想的です。
銀行は債務償還年数を10年以内を目安に考えています。
だから10年以上の場合少し注意が必要になります。
10年を超えるあたりから銀行の見方は少し厳しくなるでしょう。
償還年数が長くなると利益償還に多少問題ありということで
銀行は評価を下げてくるのであなたは融資を受けにくい状態になります。
債務償還年数が短くなるように借入と返済のバランスを意識した
経営を心掛けてください。
まとめ
銀行融資取引がすでにあれば追加融資を受けられると
考える社長は多いのですが実はそう簡単なことではありません。
銀行は見るところをしっかり見ています。
多くの社長は融資を獲得することに気を取られ
借入返済原資や債務償還年数を意識することはあまりありません。
逆に銀行は常に返済原資や債務償還年数を基準に融資をしています。
借入返済原資の計算や債務償還年数の計算は
決算書や試算表が手元にあれば3分で算出することが可能です。
銀行から融資を受ける前にあなたもぜひ返済原資や債務償還年数を計算し
自社の現状をしっかり把握した上で銀行との融資交渉を円滑に進めてください