銀行から融資を受けたいと考えたとき
あなたはどのように取引銀行を決めていますか。
もしかしてどこもいっしょだから
紹介が一番だと思っていませんか。
実は銀行も業績などにより積極的に融資する銀行と
融資に消極的な銀行があること知っていますか。
融資に消極的な銀行と取引しても
潤沢な資金を引き出すことは難しいでしょう。
それでは融資に積極的な銀行をどのように
見つけたらよいのでしょうか?
自らの経験もまじえて融資をしてくる銀行を
簡単に見つける方法について以下の順番で説明していきます。
誰でもできる簡単な方法なのでぜひ参考にしてください。
- 銀行の貸付余力を見極める
- 銀行の得意な融資業種を探る
- 銀行のディスクロージャー情報のここを見て利用する
銀行の貸付余力を見極める
どこの銀行でも融資をしてくれるとあなたは思っていませんか。
実は銀行によって融資に対して積極的な銀行と消極的な銀行があります。
銀行も一般企業と同じように業績や財務内容によって融資の方針が違ってきます。
銀行の業績が良いところは積極的な貸し出し姿勢がありますが
経営が苦しくて業績が悪い銀行は貸し出したくても体力がないので
どうしても融資に対して消極的にならざるを得ないこともあります。
要するに銀行の業績・体力次第で融資は決まるといえます。
ではどのように業績を判断すればよいのでしょうか。
次の指標に注目すると融資に積極的な銀行を
見分けることができます。
自己資本比率
自己資本比率=自己資本÷総資産×100
一般企業と同じように返済不要の自己資本が
総資本(資産=資本)のどのぐらいの比率があるかということを
自己資本比率で確認します。
自己資金比率が高いほど経営が健全で
貸し出し力があると判断することができます。
銀行の自己資本比率を調べる
↓
参照:金融庁の中小地域金融機関の主な経営指標
預貸率
次に見る指標は預貸率です。
これは銀行経営を見る特有の指標になります。簡単に言うと預金の貸し出し比率です。
預かった預金のうちどのぐらい融資をしているかと言うことを見ることができます。
- 預貸率 = 貸出金 ÷ 預金 × 100%
預貸率の高低で銀行の融資姿勢を必ずしも見極める事はできませんが
預貸率が高ければ預金の貸し出し比率が高く
低ければ貸出率が低いと言うことがわかります。
ただなんとなく預貸率が高ければ積極的であり
預貸率が低ければ消極的であると言う捉え方もできますが
一概にそうとは言い切れません。
預貸率が高ければさらに比率を高める必要はありませんが
逆に預貸率が低ければ貸出余力があると見ることもできます。
預貸率が高けれ貸出がばいっぱいいっぱいで貸せないかもしれないし
預貸率を維持するために積極的に貸し出すかもしれません。
また預貸率が低ければ預貸率を上げるために
積極的に貸出かもしれませんし不良債権が多かったり
業績が悪いので貸出に消極的かもしれません。
預貸率だけでは判断せず業績や経営方針などを
綜合的に考えて判断すると良いと思います。
理想としては自己資本比率が高く預貸率が低い銀行が狙い目といえます。
預貸率を調べる(下記に預金額・貸出金が記載されているので計算してみましょう。)
↓
銀行の得意な融資業種を探る
自己資本比率や預貸率など銀行全体の財務内容や
貸し出し方針についてを見てきました。
次に確認するのが業種別の貸出比率を確認します。
銀行は融資のリスクヘッジをするために融資先を
業種別に分散させています。
また銀行によって得意な業種や不得意な業種があります。
あなたの会社の業種に積極的に融資をしているかどうかを
知ることがとても重要です。
では銀行が積極的に融資をする業種の見つけ方を
具体的に説明していきます。
銀行は融資をするときにリスクヘッジをするために特定に業種に
融資を集中させないように業種を分散させるポートフォリオを作成しています。
ある程度業種を分散させるていますが経営方針により
重点的に融資をする業種や積極的に融資しない業種を決めています。
成長する業種には融資しますが衰退する業種には
融資をしないということです。
(業種の判断は各銀行の方針によります。)
あなたが取引を希望する銀行がどのような業種に
積極的に融資をしているか確認してください。
ではどのように業種を確認すれば良いのでしょうか。
銀行はそれぞれ決算期・中間期にディスクロージャー(情報開示)をしています。
経営に関する公開情報をまとめたディスクロ-ジャー誌が
店頭に冊子が置かれていたり、ホームページでも公開され誰でも
簡単に閲覧入手ができます。
このディスクロージャー誌の中に融資のポートフォリオが掲載されおり
どのような業種にどのくらいの比率で融資されているかがわかります。
あなたの業種がどのくらいの比率になっているか確認してみてください。
金融庁のホームページにある地域金融機関情報一覧から
確認することができます。
↓
※各銀行のデーター上にディスクロージャーのリンク先が
記載されています。
銀行のディスクロージャー情報のここを見て利用する
上記で説明したように銀行は経営情報を公開しています。
ただ残念なことに多くの社長は公開情報があることを知りません。
公開情報を上手に利用すれば融資に積極的な銀行が
わかるだけではなく銀行融資を円滑に調達することができます。
では銀行のディスクロージャー情報を
どのように活用するか説明します。
その前に金融庁の地域金融機関情報一覧で
公開されている情報も非常に役にたつので
ぜひ確認してみてください。
どんな情報が公開されているかと言うと
- 本店所在地
- 店舗数
- ディスクロージャー情報へのリンク先
- 預金残高
- 貸出金残高
- 自己資本比率
- 不良債権比率
などの情報が公開されています。
上記で説明した預貸率や自己資本比率を把握することができます。
特に注目したいのは不良債権比率です。
不良債権が多いとやはり融資に消極的になると思います。
- 預貸率
- 自己資本比率
- 不良債権比率
を確認すれば融資に積極的な銀行を比較的簡単に
見つけ出すことができるでしょう。
それではディスクロージャー情報の活用ポイントを
お伝えしていきます。
ここまで説明してきたポイント
- 銀行の貸付余力を見極める
- 銀行の得意な融資業種を探る
を理解すれば積極的に融資してくれそうな銀行を
なんとなく見つけ出せると思います。
銀行の経営指標を見ることで経営状況を
理解することができます。
だから闇雲に銀行に交渉するのではなく
可能性が高い銀行を対象にアプローチしましょう。
ある程度ターゲットとして絞った銀行の経営内容について
ディスクロージャー情報をしっかり読み込みます。
そこには貸借対照表や損益計算書などの
決算情報のほか経営内容・経営方針・営業方針などが
細かく記載されています。
必要に応じて公開されている中期経営計画なども参考にして
中期的な動向や将来の業績予測を確認することができます。
銀行が何をしていこうとしているのかいうことが
わかればあなたもそれに合わせた対応や提案していきます。
特に銀行の担当者とコミニュケーションを取る場合に
このディスクロージャー情報の内容をテーマに話すことをお勧めします。
- なぜこのような経営方針なのか
- 今後何をしていくのか
- なぜこの業種に積極的に融資していくのか
あるいはわからないところがあれば質問するなど銀行に
関心があることを積極的にアピールしてください。
担当者は自分の銀行のことをよく理解していると言う
好印象を持ちあなたのことを記憶に留めるだけではなく
しっかりと経営マインドを持った経営者であると認識するでしょう。
おそらくほとんどの中小企業は自分の会社の事について聞かれ
ことが多くその説明に終始します。
しかしこれからは金融機関を選別する時代になります。
銀行の経営状況にも関心をもちあなたから
経営方針や経営内容について積極的に質問すれば
支店長があなたの会社を見る目も大きく変わると思います。
まとめ
銀行融資をしてくる銀行を見つける方法について
3つのポイントを説明してきました。
- 銀行の貸付余力を見極める
- 銀行の得意業種を探る
- 銀行のディスクロージャー情報のここを見て利用する
いかがでしたか。
以外と簡単な方法だと思いませんでしたか。
そんなことなんだと思われた人も多いと思います。
でも意外に効果があります。(相手である銀行を知ることは重要です。)
銀行の担当者は自分勝手に行動しているわけではありません。
組織の中でトップの方針に従って判断したり行動しています。
そこを理解するればあなたの銀行交渉もだいぶ変わってくるのでは
ないでしょうか。(あなたに合う銀行を見つけましょう。)
そして一番重要なのが銀行の経営状態です。
経営状態が悪ければ貸せないということです。
銀行は融資に消極的になります。
この記事で説明した方法を参考にして
効率的に融資をしてくれる銀行を見つけてください。
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