資金繰り管理に頭を悩ませている社長は
多いのではないでしょうか。
資金繰り表は作成しているが何をどのように管理すれば
良いのかわからないと言う声を耳にします。
利益を管理する場合、
- 粗利益率
- 経常利益率
などの指標をもとに数値を管理することが可能です。
それでは資金繰りを管理する指標は無いのでしょうか。
実際には資金繰りを指標で管理する会社は少ないようです。
ただ指標があると管理がしやすく便利である事は確かです。
この記事では資金繰りを指標で管理したい
社長に役立つ3つの指標について説明します。
資金繰り管理にぜひ役立ててください。
それでは以下3つの指標について順番に
説明していきます。
- 資金繰り管理に役立つ指標①【流動比率】
- 資金繰り管理に役立つ指標②【当座比率】
- 資金繰り管理に役立つ指標③【現預金比率】
資金繰り管理に役立つ指標①【流動比率】
流動比率は短期支払い能力を判断する重要な指標です。
流動資産が流動負債に対してどれだけあるかを
示した指標になります。
会社の安全性や決済能力を見る上でとても
重要な指標であり資金繰りにも関連がある指標の1つです。
銀行も運転資金の融資審査などで
必ずチエックする指標です。
100%以上あることが正常といえます。
100%以上あれば当分の支払いの準備が
できていると言う状況になります。
資金繰りにも問題がないということがいえます。
逆に流動比率が100%未満であれば
今後の支払いに不安が残り注意が必要です。
流動資産に含まれる科目をいくつか提示します
- 現預金
- 売掛金
- 在庫資産
- 前払費用
- 貸付金
など
流動比率を算定するときに注意しなければ
いけないのが各科目の内容です。
現預金については既に現金化されているので問題はありません。
問題は他の科目の内容です。
すぐに現金化される保証がありません。
さらに長期にわたり滞留している不良債権が
含まれている可能性があるのでチェックしてください。
科目の内容によっては実質的な流動比率が
大きく低下する危険があります。
科目だけを見て計算して指標を確認するのではなく
実内容を見て実質的な指標から会社の実態を判断しましょう。
資金繰り管理に役立つ指標②【当座比率】
当座比率も短期支払能力を示す指標です。
当座比率は次の算式により計算します。
当座比率=
【(現預金+受取手形+売掛金+完成工事未収入金+有価証券)/流動負債】×100(%)
流動資産比率より現金化しやすい資産を中心に計算した指標です。
(現預金+受取手形+売掛金+完成工事未収入金+有価証券)
を当座資産と呼び現金化しやすい資産です。
短期間に支払いが発生する負債を
どれだけカバー出来ているのかをあらわしています。
この指標が高ければ支払能力が高く資金繰りも良好です。
当座比率が100%以上であれば
資金繰りに問題はないと言えます。
過去から継続的に当座比率を管理する中で
指標が上昇していれば資金繰りは改善しています。
逆に下降していれば資金繰りは悪化していると
判断することができます。
特に当座比率が下がっているときは注意しましょう。
先に説明した流動比率が上昇していても
当座比率が下降することがあります。
そんなときは当座資産以外の流動資産の残高に注意してください。
特に在庫資産の増加には注意が必要です。
在庫が増えれば流動資産が増えますが商品在庫が
短期間で現金化する保証はないばかりか逆に不良在庫として
滞留すれば資金繰りを悪化させる原因になります。
流動比率が高いからと言って安心せず
必ず当座比率を確認しましょう。
資金繰り管理に役立つ指標③【現預金比率】
現預金比率も流動比率・当座比率と同様に
短期支払能力を示す指標です。
現預金比率は現時点で現金化している現預金を
基に短期支払能力を判断します。
手元現金がどのくらいあるかということですから
一番わかりやすい指標と言えます。
現預金比率は次の算式により計算されます。
現預金比率=(現預金/流動負債)×100(%)
現預金が多ければ多いほど資金繰りは楽になり安定します。
現預金比率は高ければ高いほど良い言えます。
ただ注意しなければいけないのが
預金の中に銀行の担保になっているものがないか
ということです。
銀行融資の担保になっている預金は
いざとなったときに自由に利用することはできません
資金繰りが厳しい時に利用することが
できないことに注意しましょう。
現預金から控除した残高で実質的な現預金比率を
算出し実際の比率を把握する必要があります。
(担保になっていれば現預金比率は下がります。)
控除後の現預金比率で短期支払能力や資金繰りの
状況を判断するようにしましょう。
まとめ
資金繰りを管理する3つの指標について説明しました。
- 流動比率
- 当座比率
- 現預金比率
まずは大まかに流動比率を確認して
当座比率・現預金比率を確認します。
基本的には3つの指標が100%以上であると安心です。
単純に資金繰り表の残高だけを確認するのではなく
今回紹介した3つの指標の動向をいっしょに見ることに
よって資金繰りをより実践的に管理することが
できるよになります。
なんとなく資金が減っている感じがするではなく
具体的な指標の比率で数値的にとらえれば客観的に
資金繰りのいい・悪いを判断することができます。
指標が悪くなれば行動することをあらかじめ
ルール化しておけば改善行動にすぐ着手できるので
資金繰りの悪化を事前に防ぐことが可能です。
ぜひ今回紹介した3つの指標を活用して
資金繰りを管理してください。
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