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資金繰りが厳しい社長が知っておくべき経営者保証ガイドラインとは

資金繰りが厳しくなると気になるのが銀行返済のこと。

金融機関から融資を受けている多くの中小企業経営者が
法人の個人保証契約をしています。
でも個人保証って重荷ですよね。

ところで、経営者の個人保証に関する
経営者保証ガイドラインについて知っていますか。

平成25年12月に経営者保証に関する中小企業、経営者及び
金融機関による対応について「経営者保証に関するガイドライン」
が公表されました。

中小企業の経営者にはあまり知られていないようです。
でも実はとても重要なことが書かれています。
創業・新規事業・早期事業再生・事業承継等の
経営者保証(個人保証)に大きく関わるので
知らないと損をすることもあります。

あなたが社長なら損をしないためにも
基本的な内容しっかりと理解しておきましょう。

それでは経営者ガイドラインについて説明していきます。

経営者保証に関するガイドライン

経営者保証に関するガイドラインQ&A

目次

経営者保証ガイドラインが作成された理由

経営者保証は法人の信用を補完して資金調達の円滑化に貢献しますが、
一方で経営者の思い切った事業展開や経営不振時の
早期事業再生を妨げる要因になっていると指摘されており
企業の成長活力を阻害していることが問題視されていました。

また借入金を全額返済しないと経営者の個人保証は解除されないため、
事業が継続する限り常に個人保証のことを考えなければならないという
ストレスが経営者にはありました。

上記のような経営者保証の弊害を改善し経営者による思い切った事業展開や、
早期事業再生等を支援するために平成25年12月に経営者ガイドラインは、
中小企業の経営者保証に関する契約時及び、保証履行時等における中小企業、
経営者及び金融機関による対応についての、中小企業団体及び金融機関団体共通の
自主的自律的な準則として、日本商工会議所一般社団法人全国銀行協会を事務局とする
「経営者保証に関するガイドライン研究会」において策定・公表されました。

経営者ガイドラインは経営者の個人保証を
解除できる可能性を明確にしました。
今後は経営者ガイドラインの作成による経営者保証に
依存しない融資の一層の促進が期待されています。

経営者保証ガイドラインでできること

確定ではありませんが

  • 経営者保証なしで新規融資を受けることが
    できる可能性があります。
  • 経営者保証を解除できる可能性があります。

経営者保証ガイドラインでできることを
新規融資・既存融資・事業承継・保証債務の整理
に分けて説明します。

新規融資

中小企業の経営者が経営者保証なしでの
融資を希望する場合には次のような経営状況であれば
経営者保証なしでの融資を受けられる可能性が高まります。
(あくまでも金融機関の対応しだいであり必ず経営者保証なしでの融資が
受けられるわけではありません。)

企業・経営者に求められること

  • 法人と経営者の関係の明確な区分・分離(法人個人の一体性解消)
  • 財務基盤の強化(キャツシュフローと内部留保の充実)
  • 経営の透明性(財務状況の適時適切な情報開示)

金融機関に求められる対応

  • 「保証を求めない融資」「代替的な融資手法」を検討する必要がある。
  • 経営者保証を求める場合は経営者保証の必要性をしっかり説明し適切な
    保証金額を設定する必要がある。

既存融資

既存融資の場合も 新規融資と同じ要件を
維持することが求められます。

企業・経営者に求められること

  • 法人と経営者の関係の明確な区分・分離(法人個人の一体性解消)
  • 財務基盤の強化(キャツシュフローと内部留保の充実)
  • 経営の透明性(財務状況の適時適切な情報開示)

金融機関に求められる対応

  • 借り手である中小企業から経営・財務の改善がすすめられ、
    既存融資の経営者保証契約の解除や保証金額の変更などの
    経営者保証の見直しに関して提案があった場合、貸し手である
    金融機関は、真摯かつ柔軟に検討を行い、ていねいかつ具体的に
    説明をしなければならない。

事業承継

企業・経営者に求められること

  • 金融機関からの情報開示の要請に対して適時適切に対応する。
  • 経営者が交代する場合、経営方針や事業計画などに変更が生じる場合は、
    変更点に関して誠実かつ丁寧に金融機関に説明する。

事業承継に伴い、新たな融資を経営者保証なしで
金融機関に求める場合は以下のような経営状況の構築が
必要です。

  • 法人と経営者の関係の明確な区分・分離(法人個人の一体性解消)
  • 財務基盤の強化(キャツシュフローと内部留保の充実)
  • 経営の透明性(財務状況の適時適切な情報開示)

金融機関に求められる対応

  • 前経営者の個人保証を後継者に当然に引き継がせるのではなく、必要な情報開示を
    受けたうえあらためて保証契約の必要性を検討する。
  • 新しい経営者と保証契約を締結する場合、適切な保証金額とし、
    保証契約の必要性などについて丁寧かつ具体的に説明する。
  • 前経営者から保証契約の解除を求められた場合、前経営者が実質的な経営権・支配権を握っているかどうか・既存債権の保全状況、法人の返済能力などを考慮して適切に判断する。

事業再生・廃業などに伴う保証債務の整理の場合

事業再生・廃業時の保証債務履行・保証債務整理において
経営者保証を行った経営者に対して次のようなことが認められます。

  • 一定期間の生活費や華美でない自宅を残すことを債権者である金融機関に申し出ること
    (一定期間の生計費や自宅等の資産を残せる可能性がある)
  • 整理手続きに専門家の支援を求めること
    弁護士・会計士・税理士などが保証債務整理への助言・残存資産の
    範囲決定・返済計画策定などを支援します。
  • 保証債務が免除されたり、引き続き経営に携わること
    債権者である金融機関が、一定の経済的合理性を認めた場合には、
    経営者が引き続き経営に携わることが認められます。

経営者保証ガイドラインは経営者が
知っておくとさまざまなメリットを
受けられる可能性があります。

現状経営者保証ガイドラインが上手く活用されて
いるかというとそういうわけではありません。
続いて問題点もあるので見てみましょう。

経営者保証ガイドラインの問題点

金融機関が経営者の個人保証を取らないあるいは
解除することに関して経営者に不利益になることはありません。

経営者保証ガイドラインには法的な拘束力がありませんが
経営者にメリットになる内容になっています。
それだけに多くの経営者に認知され活用されることを期待しています。
ただ現状は以下のような問題点があり上手く
活用されていないことは残念です。

  • 経営者保証ガイドラインには法的な拘束力がない。
  • 多くの経営者が経営者保証ガイドラインの存在を知らない。
  • 金融機関から経営者保証ガイドラインの活用を提案することがとても少数である。
  • 弁護士・会計士・税理士などの専門家から経営者に提案されていない。

またあくまでも金融機関の自主的な判断に委ねられており
必ずしも経営者保証ガイドラインに沿った対応をしてもらえるとは限りません。
ただし、何も行動しなければ経営者保証を解除されることがないので
ぜひ経営者保証ガイドラインを熟知して活用することをおススメします。

まとめ

経営者保証のガイドラインでできることは次の3つです。

  • 経営者保証なしで新規融資を受けられる可能性がある。
  • 既存融資に関して経営者保証の解除ができる可能性がある。
  • 債務整理する経営者は一定の要件を満たせれば、自宅や生活費等の資産を残せる可能性がある。

上記3つの実現の可能性を高めるためには
次の3つの要件が満たすことが必要です。

  • 法人と経営者との関係の明確な区分・分離
  • 財務基盤の強化
  • 財務状況の正確な把握、情報開示等による経営の透明性の確保

要件が整えば金融機関と交渉し経営者であるあなたの
個人保証を解除して経営者のストレスをぜひ緩和してください。

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この記事を書いた人

レグルス経営研究所 代表。
経営者に役立つ資金繰りノウハウを情報発信しています。

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